「コムレジ赤羽」は社会人棟、学生棟、賃貸棟からなる複合施設。3棟の住民が共用で使うカフェテリア棟（写真1-3）は、中庭に面しておおらかな弧を描き、社会人棟と学生棟をつなぐ縁側空間となる。高密度なレジデンスの中で、明るさと緑を感じられるよう、軽やかな波打つ屋根をかけ、中庭に対して大きく開かれた建築とした。その内外全体を覆い、軒先と天井を形作る曲面状の木ルーバーは、柔らかさと温かみをカフェテリア全体に与えている。ルーバーは整然とした配置から扇状に広がっていき、特徴の異なる場所を作ることで、人々がそれぞれ居場所を選択できるようにした。

学生棟 共用リビング（写真4）・・・RC造5階建ての学生棟の一角に4層の耐火木造が挿入されている。
◆COOL WOOD（1時間耐火仕様・柱・梁）使用

KUMIKI（写真5,6）・・・コンピュテーショナルデザインによって設計した木組みのベンチ

全体設計：長谷工コーポレーション エンジニアリング事業部
カフェテリア棟、学生棟木造部、KUMIKI設計：高池葉子建築設計事務所
構造：浜田英明建築構造設計
材料供給・ルーバー施工・KUMIKI施工：シェルター

〇新建築 2022年8月号掲載

◇2022年度グッドデザイン賞受賞