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住宅
壬生川の家
- 構造設計
- 施工
- 材料製作
- 意匠設計
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- 設計 河口佳介+K2‐DESIGN
- 所在地 愛媛県西条市
- 敷地面積 341.02㎡
- 建築面積 153.68㎡
- 延床面積 139.12㎡
- 階数 地上1階
木造平屋建て住宅でありながらこのKES構法における大断面集成材を採用した理由としては、大型施設の大スパンに利用されるような木造構造材を一般的な木造住宅に採用することにより、今回の計画における開放的な土間空間の構成を鉄骨造や鉄筋コンクリート造に頼ることなく、より日本的で新しい木造空間の可能性として追求し、表現しようと考えたからである。外部の木製建具の中間にも柱を入れる必要がなく、外部空間と大きな開口部が土間空間を通して、スギ板コンクリート壁までの生活空間と一体になれるよう計画している。
土間を生活空間に組み込む
愛媛県の閑静な住宅地の東南の角地に計画した木造平屋建ての住宅である。交通量の多い東側道路面は建物をしっかりと閉じ、比較的静かな南側を後退させて外に対して開くよう配置計画を行った。クライアントの趣味はロード自転車である。数台の自転車を所有しており、それらのメンテナンスやディスプレイを身近に行うことができ、生活の中でその趣味を思う存分楽しむことができる住宅を希望されていた。そこで趣味の部屋が独立した空間として付け加えられるのではなく、リビング・ダイニング・キッチンといった家族の生活スペースを「土間」というかたちで配置する計画とした。自転車は普段屋外で利用するもので、それを気軽に室内持って入ることは、随分と趣味が身近な存在としてあり続けるのではないかと考えたからである。また子供達とその友達の遊び場にも使え、奥様もその様子を見ながら家事ができる。家族の気配を感じるコミュニケーションの場としても利用でき、共に暮らしている大型犬との大切な時間を共有する空間でもある。
この住宅の最大の特徴は、土間を現代的に組み込んだ平面計画と大断面集成材を用いた構造である。土間空間と家族の生活スペースをできるだけ近づけるため、柱を境界に設けないよう大断面の集成材を用いて双方を引き合わせている。土間のある日本的な平面構成を考え、L型に配置することで土間道路を利用したリビングへのアプローチや自転車のディスプレイを可能とした。それに個室ゾーンへのプライバシーを考慮して、リビングと個室ゾーンの中心にスギ板コンクリート打放し壁を配置し、生活導線が短く合理的な生活ができるよう全体を構成した。