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インフラ施設

JR田沢湖駅舎/仙北市田沢湖観光情報センター

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外観全景

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交流ホール

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エントランス

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  • 設計   坂茂建築設計/ジェイアール東日本建築設計事務所
  • 所在地  秋田県仙北市
  • 敷地面積 4,423.70㎡
  • 建築面積 761.70㎡
  • 延床面積 991.70㎡
  • 階数   地上2階

田沢湖とJR駅舎の合築駅

駅舎という特殊な条件の公共建築で、JR東日本と田沢湖町の合築駅である。設計を進めるに当たっては、主観的にデザインを主張するのではなく、客観性と必然性のあるストーリーづくりが重要になると思われた。
最初の基本構想段階では、全く考え方の違う3案の提出を求められた。その中から、駅前広場に向かって円弧状に広がった案を平面計画として気に入っていただき採用された。ところが立面は、以前から町側で考えられていた正面に向かって浅いボールド形状の屋根をかけてほしいというご要望をいただいた。そこで、全く違う経緯から出てきた、平面的円弧と立体的ボールド屋根という2つの要素に、整合性を持たせて結合させることが最大の設計テーマとなった。
このような流れとは別に、設計当初、町側より秋田らしさを出してほしいということと、最大限木を使ってほしいという要望があった。また、JR側からは、「紙の建築」はもちろん、新幹線の駅として木造建築も採用できないことを聞かされた。

鉄板と集成材の複合梁

PCパイルの間にかけ渡す梁の形状は、応力に合わせて弓形とし、力の流れを視覚化したいと考えた。本来は集成材を使えば、そのような弓形の梁をつくることは容易であるが、木は使えない。だからといってスチールのビルドHでその形状の梁をつくることはコストが高いうえに、PCパイル柱との組合せとしても表情が寂しすぎる。そこで考えたのは、計算上の応力は16mm厚の鉄板で持たせKESコネクターで繋ぐ方法である。つまりフランジなしでウェッブのみの状態で、それだけではたわんでしまうので、両側を集成材で挟み剛性をもたせた複合梁とする。単板の鉄板を応力に合わせ弓形にカットするのは容易であるし、集成材もたわみを抑えるだけなので、特注で大きな梁をつくるのとは違い、在庫の集成材断片をボルトで鉄板の両側につなぎ合わせれば、納期も短くてすむ。そしてなにより、この案を役所に相談したところ、計算上の応力を鉄板でもたせている以上鉄骨造のカテゴリーに入るといわれたおかげで、JR側からも木造でないということで許可をいただけた。町側も木造に見えるのでたいへん気に入られたが、この仕掛けがわかるように集成材の間の鉄板の厚み(ライン)をあえて出すことにした。

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