風景に寄り添う小学校

本計画は小浜市初の4校統合小学校である。外観は周囲ののどかな田園風景や山々に寄り添うよう、勾配屋根としながらも、雪下ろしが不要な屋根とした。校舎は、鉄道から距離を取った配置とし、敷地内は児童の安全を確保するため歩車分離を図った。近接した河川の水害を考慮し、敷地全体をかさ上げしている。平面計画はラーニングセンターを中心とした学習室配置とし、普段から興味のある科目に触れ合えるメディアスペース、食育のできる廊下から見通せる厨房、教室と一体利用などフレキシブルな教育展開が可能なコモンスペースを計画した。木の温かみを感じることのできる内装とし、木あらわしの屋根架構には県産材を用いた。木架構の屋根とすることでRC造に比べ固定荷重を軽減し、基礎躯体の低コスト化を実現している。環境面についてはハイサイドライトによる自然採光や自然換気システム、土壌蓄熱を取り入れた空調計画などの取り組みを行っている。

◇令和4年度木材利用優良施設等コンクール 優良施設部門 優秀賞

撮影：小笠原岳写真事務所